| 生物は理想の外形や気質の特徴を固定するには、同じ特徴をもつもの、即ち遺伝的に近いもの同士の交配（近親交配）が必要となります。近親交配により潜在していた有害な表現形質が現れ、適応度が下がる現象がみられます。これを近交弱勢と言い、個体の近交度（近交係数）が高まると、繁殖性、強健性、発育性などの能力が低下します。犬種や血統に特有の遺伝性疾患が存在するのはこのような理由からです。 一方、遺伝的に遠いもの同士が交配すると、生れた個体は両親よりも優れた形質を示すことがあります。これは雑種強勢（heterosis、hybrid vigor）と言われ、農作物や家畜の品種改良に利用されています。 |
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